2010年12月29日

センター試験英語問題あれこれ(6)

万:センター試験の第2問ではよく仮定法が問題になってるけど、高校の文法をちゃんと勉強している受験生にとっては「いただき〜!」という感じや。たとえばこんな問題なんかまさに教科書通りといってええやろ。


次の問いのカッコに入れるのにもっとも適切なものを下から選べ。
問1 If Mary ( ) how to swim, she would go to the beach more often.
1. knows
2. knew
3. will know
4. had known

問2 I’m sorry to hear about your problem. But if you had taken my advice, you ( ) in such trouble now.
1. haven’t been
2. would be
3. would have been
4. wouldn’t be

問3 ( ) someone helped me, I could have finished it in a day.
1. If
2. Should
3. Had
4. Unless

永:英語の仮定法には仮定法過去と仮定法過去完了があるから注意せなあかん。たとえばどっかのデパートの婦人服売り場で娘とその母親が新しいデザインの服を見ながら話しているとしよう。その場で母親がそんな服はほしくないと言っている娘に、「ほしかったら、買ってあげるのに」、そして家に帰ってからやっぱり買ってもらったらよかったかなという娘に「ほしかったら、買ってあげたのに」という。この「ほしかったら」という部分は仮定法で表現されているんやけど、日本語の場合はデパートの売り場でも家に帰ってからでもこの部分は同じでも問題ない。けど英語では区別して表現する。

万:そうや、デパートで母親が言う「ほしければ、買ってあげるのに」は娘がほしくないと言っているから出てきた表現であって、詳しく言えば「実際にはお前はほしくないと言っているけど、もしほしかったら、買ってあげるのに」ということやろ。「ほしければ、かってあげるよ」とは違うことが分かるかな。ここでちょっと整理してみよう。

条件表現と仮定表現の違い
日本語の「ほしければ、買ってあげるよ」は英語では
If you want the dress, I will buy it for you.となり、このif 節は私が買ってあげるための条件をあらわしていて、相手がそのドレスをほしがっているかどうかは未知数や。
一方日本語の「ほしかったら、買ってあげるのに」は英語では
If you wanted the dress, I would buy it for you.となり、このif 節は仮定をあらわしていて、実際には相手がそのドレスをほしがっていないことをはっきりと読み取ることができる。


ということで、二つの違いは分かってもらえたかな。形の上では条件の if 節中では動詞は常に現在形をつかう、たとえ意味は未来であっても。たとえばとっても簡単な例やけど、

If it is fine tomorrow, I will take you to the zoo.
「明日天気なら君を動物園につれていってあげようね」

たとえ明日のことであっても if it will be fine tomorrow とやってはいけない。常に現在形を使う。それに対して仮定の文ではその仮定が現在の事実に基づいてされる場合は過去形を使う、たとえば、

He cannot fly. If he could fly like a bird, he would fly to her.
「彼は飛べない。もし鳥のように飛べたら彼は彼女のところへ飛んでいくだろう」

という風に if節で過去形の動詞をつかって現在の事実に反することを仮定していることを知らせる。そしてその仮定から予想されることを述べる文、普通帰結節と言われているが、では必ず助動詞の過去形を使う。


If 主語+過去形の動詞・・・・・、主語+助動詞の過去形+動詞の原形・・・・・.


そういうわけやからデパートで母親は仮定法過去を用いて「ほしかったら、買ってあげるのに」と言わなければならないんや。くどいけど、娘はほしがっていないわけやから。

永:じゃ、家に帰ってから母親がいう「ほしかったら、買ってあげたのに」はデパートでのことを家に帰ってから言っているから、過去のことに言及していることになるな。

万:うん。デパートでは娘は「ほしくない」と言った。それは過去のことやからその反対を仮定して「もしほしかったら、買ってあげたのに」と母親は言っている。これは「あなたがそのドレスをほしくなかったから買ってあげなかった」という過去の事実を裏返して仮定で表現しているわけや。そういう場合英語では仮定法過去完了を用いるんや。


「あなたがそのドレスをほしくなかったから買ってあげなかった」
As you did not want the dress, I did not buy it for you.
これを仮定法を使って裏返すと

「ほしかったら、買ってあげたのに」
If you had wanted the dress, I would have bought it for you.
となる。

このように仮定法過去完了というのは過去の事実を裏返して表現しているから、仮定法の裏には必ずその逆の事実が隠されていることになる。


If he had known the fact の裏には he did not know the fact という事実がある。
また
If I had not known the fact の裏には I knew the fact という事実がある。


仮定法過去完了の文は次の形をとる。帰結文の形が助動詞の過去形の後にhave+過去分詞がくることに注意。


If 主語+過去完了・・・・・、主語+助動詞の過去形+have+過去分詞・・・・.


ということで、単なる条件を表す文と仮定法の違いは了解してもらえたかな。そして仮定法でも現在の事実に基づいた仮定をする場合は仮定法過去、過去の事実に基づいた仮定をする場合は仮定法過去完了を用いるということ。そしてそれぞれの帰結文の形の違いも了解やな。

永:お前の解説を適用すると、問1は帰結の文が she would go to the beach more often と助動詞+動詞の原形がきているから、分類で言えば仮定法過去やと分かる。だから正解は2のknewや。


If Mary knew how to swim, she would go to the beach more often.
もしメアリーが泳ぎ方を知っていたら、もっとよくビーチに行くだろう。


それから問2は if節の形は過去完了だから、当然、仮定法過去完了の文や、したがって帰結文の形は「助動詞の過去形+have+過去分詞」やから3のwould have beenになるはずや。しかしここで最後に置かれたnowに注意せんといかん。そのわけを万が説明しろ。

万:良くあることやけど、仮定の部分は過去の事実に基づいているから仮定法過去完了がつかわれるが、帰結の部分が現在に及んでいる場合は通常の仮定法過去完了の場合とは違って次のような形をとるんや。


If+主語+過去完了形・・・・・・・、主語+助動詞の過去形+動詞の原形・・・・・.


if 節は仮定法過去完了やけど、帰結文は仮定法過去の場合の帰結文と同じ形になるんや。たいていそういう場合は帰結文に現在を示す副詞や副詞句があるからすぐに分かる。だから問2の答えは形としては2か4やけど、意味を考えると当然4でなければあかん。


I’m sorry to hear about your problem. But if you had taken my advice, you wouldn’t be in such trouble now.
君の問題を聞いて残念に思う。けど、もし君が僕の助言に従っていたら、今ごろそんなに困ってはいないだろうよ。


永:最後の問題は要注意やけど、この手の問題は結構頻出しているから大学受験生にとっては珍しくもないやろ。けど一般の、あまり文法にこだわらない人たちにとってはひょっとしたら難しいかも。

万:受験生なら、仮定法のif節はしばしばifが省略されて主語と動詞が倒置される、ということを知っているはずやから、すぐ問題の意図に気づくと思うけどケアレスミスがありそうや。 I could have finished it in a day は仮定法過去完了の帰結の形やから、if 節は if someone had helped meとしなければならないことは分かるんやがそうするための選択肢がないもんやから無理やりif を選択する受験生もいるかも。正しくはif が省略されて倒置になっているから、答えは3のhad や。


Had someone helped me, I could have finished it in a day.
(=If someone had helped me, I could have finished it in a day.)
もし誰かが手伝ってくれていたら、一日でそれをやってしまえたのに。


永:この3つの問題はあまりにも教科書通りやから受験生を大いに困らせることはなかったと思う。次の問題は2005年に出されたやつやけど、これもすぐに仮定法だとわかるから楽勝やろう。


問4 David was badly injured in the accident. If only he had left home five minutes earlier, he ( ) involved in it.
1. was
2. was not
3. would have been
4. would not have been

万:センも芸がないな。問2の問題と同類やんか。if 節の形をみればすぐに仮定法過去完了だと分かる、ただ帰結部が問題2のようにひねってはいないからその分素直な問題や。答えはすぐ2つに絞ることができる。そして意味を考えたら当然4に決まってるがな。


David was badly injured in the accident. If only he had left home five minutes earlier, he would not have been involved in it.
デイビッドは事故で大怪我をした。もし彼がもう5分早く家を出てさえいたら、その事故に巻き込まれることはなかっただろうに。


永:じゃ、次の2009年の問題はどうかな。問3と同じタイプなんやけど、英作文の問題として出されていて、形式的にも受験生は戸惑わされたかもしれん。


問5 下の語句を並べ替えて空所を補い、文を完成させよ。

There was a phone call from someone whose number you didn’t recognize, so you didn’t answer it. However, it was from someone inviting you to a party. You could express your regret by saying:

I ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) answered the phone yesterday.

1. could
2. had
3. have
4. I
5. joined
6. the party

万:たしかに!受験生は戸惑うかもしれん。センター試験もなかなかやる。誰かが電話してきたんやけど、電話番号に見覚えがなかったんで出ずに放っておいたところ後から誰かからあれはパーティーを知らせる電話やったということを教えられて、「しまった、電話に出ていたらパーティーに行けたのに」と残念がっている場面を描くことを要求している問題や。そういうイメージをもてたらこれが仮定法を問うていることに気づくはずや。ところが選択肢には if が与えられていない。そこで if を省略した倒置や!とわかればええんやけど、どうやろ、けっこう気づけない受験生もいたかもしれん。解答をあげておく。


There was a phone call from someone whose number you didn’t recognize, so you didn’t answer it. However, it was from someone inviting you to a party. You could express your regret by saying:

I could have joined the party had I answered the phone yesterday.

番号に見覚えのない人から電話があった、なので出なかった。しかし、それはパーティーに君を招待する人からだった。君は残念な気持ちを次のように言うことによって表現するかもしれない:
「昨日あの電話に出ていたらパーティーに行けたのにィ〜」


永:if がないことを除けば典型的な仮定法過去完了や。ではまた!
posted by 永久先生&万年浪人 at 20:58| センター試験英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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